こんにちは、LeeStyles(リースタイルズ)です。
今回は、「RPAとは何なのか、わかりやすく解説【超初心者向け】」というテーマでお話していきたいと思います。
最近、RPAという言葉を聞く機会が増えてきたのではないでしょうか。
でも、実際に触れたこともないし、見たこともないし、まだまだイメージを掴めていない人も多いはずです。
したがって、今回の記事は、
- 「最近RPAってよく聞くけど、IT詳しくないから簡単にわかりやすく教えて欲しいなあ。」
- 「そもそも何でRPAって流行っているんだろう?」
という方には特におススメです。
そして、今回の記事のポイントは次の3つです。
- RPAとは、PC作業を人間の代わりに行ってくれるソフトウェアのロボットである。
- RPAが流行っているのは、労働力不足といった社会的背景も存在する。
- RPAには、クラウド型やサーバー型、デスクトップ型といった種類が存在する。
それでは、それぞれ解説していきたいと思います。
RPAとは

RPAとは、「ロボティック プロセス オートメーション(Robotic Process Automation)」の略です。
人間の代わりに労働してくれるデジタル技術として、デジタルレイバー(Digital labor)なんて呼ばれたりもしています。
RPAを簡単に説明すると、PCに関係するあらゆる業務を高速かつ正確に人間の代わりに行ってくれるロボットです。
ここでは、RPAに関してざっくりとした理解をしてもらうために、次の2つの観点でお話していきます。
- 他テクノロジーと比較したRPAの特徴
- RPAを導入することによるメリット
では、それぞれ解説していきます。
RPAの特徴
RPAの特徴については、次の3つと比較しながら解説していきます。
- 産業用ロボットとの違い
- VBAとの違い
- AIとの違い
それぞれRPAとよく比較されるものなので、違いをしっかり理解していきましょう。
産業用ロボットとの違い
まず、産業用ロボットとは何が違うのでしょうか。
実は、産業用ロボットも機械が人間の仕事を代替してくれるという点では、RPAと共通しています。
しかし、大きく異なるのは、「どのような人間を対象するか」という点です。
産業用ロボットは、工場などで肉体労働を担うブルーカラーの人たちの業務を肩代わりします。産業用ロボットはハードの身体を持ち、現実世界で稼働していますから、実際に皆さんの手で触れることが出来ますよね。
対して、RPAはオフィスで働くホワイトカラーの人たちの業務を肩代わりします。産業用ロボットと違ってハードの身体は持たず、ソフトウェアとして存在します。つまり、現実世界ではなくコンピュータ内の世界で稼働するため、皆さんの手で触れることは出来ません。
以上をまとめると、次のようになります。

VBAとの違い
まず、そもそも「VBAとは?」ってところからだと思いますが、VBAはWordやExcel等のMicrosoft Officeでの作業を自動化するためのプログラミング言語のことです。
例えば、Excel内で毎日同じ作業を行ってるとします。同じことの繰り返しなら、その作業内容を丸ごとコンピュータに覚えさせておきたいなって思いますよね。
それを実現するのがマクロというもので、こちら側が指示した一連の作業内容を記録し、今後はボタン1つでその作業を勝手に実行してくれるようになります。
そして、そのマクロで複雑な作業を任せたい時に必要となるプログラミング言語がVBAということです。
以上がVBAについてなのですが、RPAとの共通点は定型業務を自動化するという点です。RPAもマクロと同様に、まずは人間が自動化させたい作業をコンピュータに指示します。イメージは下の図です。

そして、こちら側が記録した指示内容を実行させることで、コンピュータが自動的に作業を行ってくれます。
では、VBAとRPAは何が異なるのか。
1つはプログラミング言語といった専門知識がそこまで必要でないため、ITに詳しくない人でも扱いやすいという点です。VBAは皆さんがイメージするプログラミングと同様で、コードを書かなくてはなりません。したがって、ある程度のITに関する知識や経験が求められます。対して、RPAはコードを書かなくてもロボットを作ることが出来ます。RPAツールの中に既に様々なコマンドが用意されており、ユーザーはその中から適切なコマンドを選択してパズルのように組み合わせることで、ロボットを作成することが出来てしまいます。つまり、IT部門に限らず、どのような部門の人でもRPAを扱えるポテンシャルがあるため、会社全体として業務改革に対する課題意識を持って取り組むことが可能です。
そして、もう1つが様々なアプリケーションを横断できるという点です。VBAというものは先ほどお話した通り、WordやExcel等のMicrosoft Office内の作業を自動化するために設計されたものです。対して、RPAはMicrosoft Officeだけでなく、WEB等で行う業務も自動化できます。したがって、例えば日々の株価情報をYahoo!等のWEBサイトから取ってきて、そのデータをExcelにまとめて、さらにはメールで社員みんなに送信する、なんてことも可能です。
以上をまとめると、次のようになります。

AIとの違い
RPAとAIの共通点は人間の仕事を代替するという点です。
しかし、産業用ロボットと同様、RPAとAIも代替する対象が少し異なります。具体的に何が違うかというと、RPAは定型業務を対象とするのに対し、AIは非定型業務を対象にします。
さらに、RPAは人間から指示を受けて受動的に行動するのに対し、AIは能動的に動くことが出来ます。AIが得意とするのは、ビッグデータといった膨大なデータから法則性を自ら導き出すなどといった作業です。
当然、AIの方が高度な作業を行うわけですから、AIの方がコスト面は高くなりますし、導入には専門知識が必要です。逆に言えば、RPAの良さは簡単に導入できて、かつコスト面もリーズナブルな点といえます。
以上がRPAとAIの違いなのですが、ちなみに両者を組み合わせることも出来ます。というか、むしろ両方を組み合わせていくことが今後主流になってきます。
産業用ロボットのことを考えればわかりやすいのですが、あれもAIと共存していますよね。産業用ロボットが人間でいう身体を担い、AIが脳を担うことで、複雑な処理を可能にしています。RPAとAIもそれと同様で、RPAが手足を担い、AIが脳を担うことで、より人間に近づいたPC作業が出来るようになります。
したがって、企業がRPAやAIを導入していく流れとしては、まずは定型業務をRPAによって代替していくのですが、そのステップが落ち着いた後は残りの非定型業務をどのようにAIを組み合わせて代替していくかというステップに入ります。
以上をまとめると、次のようになります。

RPAの導入メリット
ここまでは、RPAと他のテクノロジーと比較しつつも、RPAにどのような特徴があるのか解説してきました。
ここからは、改めてRPAを導入することによるメリットについて確認していきたいと思います。
今回は大きく2つのメリットを挙げてみました。
- 人的ミスの削減
- 人件費の削減/労働力不足の解消
それでは、1つずつ解説していきます。
人的ミスの削減
RPA導入の1つ目のメリットは、人的ミスの削減に繋がることです。
PC作業というものは、ミスの起こる可能性が常に潜んでいます。
例えば、WEBサイトに載っている株価ランキングの1位から100位までの株価データをExcelに全て打ち込む作業を想像してみてください。そこには、あなたがPC画面上の数字を見間違えるリスクもありますし、入力し間違えるリスクもありますよね。
しかし、この作業をRPAで行えば、しっかりとロボットが作られている限り、基本的に見間違えたり入力し間違えたりしません。
このような定型業務に関しては、人間よりもRPAに軍配が上がります。
人件費の削減/労働力不足の解消
RPAは、ロボットが完成してしまえば人間よりも圧倒的に高速で業務を実行できますし、人間と違って残業の概念もないですから24時間稼働できてしまうのが、凄いところです。
そして、このRPAによって既存の業務が代替されていくと、これまでその業務を担っていた人はほとんど必要なくなります。あるとしても、ロボットを実行させたり、ロボットが設計通りに稼働しているか確認したり、といった管理者の役割です。
したがって、RPAを導入した企業にとっては人件費の削減に繋がりますよね。
もちろん、導入の際にこの人件費の削減効果とRPAの導入費用を天秤にかけて考えるのを忘れないでくださいね。費用対効果はチェック必須です。
また、このことをもう少し社会的な目線から考えると、労働力不足の解消にも繋がります。
今の日本は少子高齢化によって労働力を担っていた生産年齢人口が大きく減少してきています。実際に有効求人倍率が上昇し、企業側としても採用難で困っていますよね。
そのような社会状況なので、各企業は少ない労働力でどれだけ今の売上を維持できるか、向上させられるか、といったことを考えていかなければなりません。
そこでRPAを有効的に活用し、足りない労働力を機械に肩代わりさせることが大切なのです。
この日本の労働力不足とそれに対する政府の働き方改革の取り組みについては、別の記事で詳しく解説していますので、そちらも是非ご覧ください。
RPAの導入

ここまでは、「RPAとは?」という疑問に対して、ざっくり解説してしてきました。
ここからは、仮にRPAを導入するとした場合に、どのようなポイントを押さえておけばいいのかについて、次の2つを中心に解説していきます。
- RPAを導入する流れ
- RPAの種類
導入の流れ
まずは、RPAを導入する流れについてです。
もちろん、費用対効果などについて全く考えずに、あなたの会社にいきなり導入することは出来ないですよね。失敗するリスクが大きすぎます。
今回は、大まかに4つのステップを挙げました。
- 既存の業務を可視化する。
- RPA化する業務を選定する。
- ロボットを作成する。
- ロボットを実行する。
まず、既存の業務を可視化します。社内の業務がどのような流れで動いているのか、それぞれにどれだけの時間が費やされているのかなど、全体像を把握していきます。意外と自身の業務をしっかり把握できていない会社は多いはずです。人間だけで業務を行うにしろ、業務をしっかり仕組み化して可視化していくことは効率性の観点から非常に大切なことです。そこの部分を再確認して、データとしてまとめるのが第一ステップです。
続いて、そのデータを見て、どの部分をRPA化するか選定していきます。冒頭でお話した通り、RPAは非定型業務よりも定型業務が得意であること、費用対効果を考えてある程度のボリュームの業務を対象にすること、などを念頭に置いて考えてみると良いと思います。例えば、「同じ入力作業を毎日何時間も行っています。」といった場合は非常にRPA化に最適なわけです。
また、1つの業務をRPA化するといっても、その業務の流れ全体をRPA化できるとは限りません。とある部分はRPAが動いて、その後は人間がロボットの実行結果をチェックして、みたいな感じでRPAと人間が共同で1つの業務を行うことが多いです。そこをどのように棲み分けするかについても考える必要があります。
そして、次はいよいよロボットの作成に入ります。1つ目で業務の流れを可視化したと思いますが、それを参考にロボットを作成していきます。ただし、同じことをさせたいとしても、ロボットの作り方には様々な方法があります。大切なのは、繰り返しコマンド等を上手に使って、どれだけスッキリしたロボットを作れるか、という点です。プログラミングも同じだと思いますが、上手な人はスッキリとしたコードを書けますよね。そのように上手に作られたロボットは、誰にとってもわかりやすいですし、実際に実行した時にスピーディに動いてくれます。
ロボットが上手く完成したら、最後は実行です。しっかり予定通りに動けているか、人間の目で適度にチェックしつつ、ロボットを稼働させていきます。
以上がRPAを導入するまでの流れです。少しでもイメージ出来ましたでしょうか。
RPAの種類
RPAを導入するといっても、実はRPAにはいくつか種類が分かれます。
イメージとしては下の図をご覧ください。

つまり、分岐としては、次の2つが存在します。
- オンプレミス型なのかクラウド型なのか。
- オンプレミス型の中でも、サーバー型なのかデスクトップ型なのか。
ちなみに、RPAツールを提供している企業はたくさんあるのですが、それらの会社はこれらの分類に属していたり、複数のタイプを提供していたり、様々です。
では、それぞれについて特徴をざっくり確認していきましょう。
オンプレミス型とクラウド型
まずは、オンプレミス型とクラウド型についてです。
オンプレミス型というのは、簡単に説明すると、自社内で専用の環境を用意するものです。オンプレミス型は、さらに後ほどお話しするサーバー型とデスクトップ型に分かれますので、ここでは割愛します。
対して、クラウド型とは自社内で環境を用意する必要がなく、インターネットを介してサービスを利用できるものです。クラウドといえば、「Google ドライブ」「iCloud」「Dropbox」など、様々なサービスが世の中に存在しますが、それらと同様のイメージをしていただければと思います。
では、オンプレミス型と比較してクラウド型にはどのような特徴があるのでしょうか。
1つは低コストな点が考えられるでしょう。自社内に専用の環境を用意しなくていいわけですから、導入までに時間もかかりませんし、特別なセッティングもしなくていいですよね。
また、システムの更新作業も不要です。サービス提供側がそのサービスを日々自動的にアップデートしてくれるわけですから、そのような心配もいりません。
ただし、欠点としてはセキュリティが1つ考えられます。インターネットを介してサービスを受けているわけですから、当然そこにはセキュリティ面における様々なリスクが介在しています。この部分を気にする場合は、オンプレミス型を検討してみてもいいかもしれません。
まとめると次の表になります。

サーバー型とデスクトップ型
続いて、オンプレミス型について、もう少し深堀していきます。
オンプレミス型は先ほどお話した通り、サーバー型とデスクトップ型に分類できます。
サーバー型とは、社内の各PCと繋がっているサーバーにRPAを導入するものです。したがって、社内の各PCからサーバー上のRPAにアクセスすることが出来ます。
対して、デスクトップ型はそれぞれのPCにRPAを導入していくものです。このPCにはRPAが入っているけど、あのPCにはRPAが入っていない、なんてことが起こるのがデスクトップ型です。
では、サーバー型とデスクトップ型のどちらかを選ぶ際に、何を基準に選択すればいいのでしょうか。
第一に考えられるのは、導入規模でしょう。
というのも、デスクトップ型はPC1台から導入できるのに対して、サーバー型では規模がどうしても大きくなります。したがって、コスト面もサーバー型の方がかかってしまいます。
また、管理面においても、デスクトップ型は個別PCで管理するのに対して、サーバー型では全体で一括管理していきます。
なので、ある程度の規模で導入を決定しているのであればサーバー型をおすすめしますが、試験的にとりあえず導入してみようという流れなのであればデスクトップ型をおすすめします。
まとめると次の表になります。

今のあなたに出来ること

いかがでしたでしょうか?
今回は、「RPAとは何なのか、わかりやすく解説【超初心者向け】」というテーマでお話してきました。
今のあなたに出来ることは、
- 現在の業務の流れや、それぞれの業務にどれだけの時間を費やしているか等を洗い出す。
- そもそも行う必要がない無駄な業務がないか、見つめ直す。
- 行う必要のある業務の中で、人間よりもRPAが行った方が良い業務はないか、検討する。
だと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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