こんにちは、LeeStyles(リースタイルズ)です。
今回は、「クラウドとは?完全図解式でわかりやすく解説」というテーマでお話していきたいと思います。
皆さんはクラウドという言葉をご存知ですか?
いまいち仕組みはわからないけど、日常で見聞きすることが多いから、名前には馴染みがある人は多いのではないでしょうか。
そんなクラウドですが、これからの日常では切っても切り離せない関係になりますし、企業にとってもクラウドを活用した戦略が今後はより重要になってくるため、基本的な知識を把握しておくことは非常に大切です。
したがって、今回の記事は、
- 「クラウドについて知りたいけど、ITに詳しくないから図解式でわかりやすく解説してくれないかなあ。」
- 「クラウドでもいくつか種類あるけど、それぞれ何が違うのかよくわからないから図解で理解したいなあ。」
といった方には特におススメです。
そして、今回の記事のポイントは次の3つです。
- クラウドとは、ネットワーク経由で外部が提供するシステムを利用する新しい仕組みである。
- 従来のオンプレミス型と比較して、当然デメリットも存在する。
- 企業のニーズに合わせて、SaaS・PaaS・IaaSといった3つのクラウドサービスが世の中に普及している。
それでは、さっそく解説していきます。
クラウドとは

まず、クラウドとは何でしょうか?
それを考えるためには、2000年代前半に遡る必要があります。
当時の各企業は自社のシステムを自前で構築していました。自社の状況に合わせて、独自にシステムが作られていたんですね。イメージとしては、外界から閉ざされた閉鎖的な空間を想像してみてください。したがって、社内の人たちが利用するデータ等も、基本的にそのPC内に保存されていたものを利用していたということです。
ちなみに、このように社内システム環境を自前で整備することをオンプレミス型と呼びます。
しかし、当時では当たり前とされてきたこのオンプレミス型ですが、いくつか欠点もありました。当然、自社で0から作るということは時間やお金といった導入コストがかかりますし、時代に合わせて更新作業もしなければいけないのでメンテナンスも大変だったのです。
そして、そのような当時の状況の中、新しく登場してきた考え方がクラウド型なります。
クラウド型では、クラウドサービスの提供会社が1つのシステム環境を構築し、各企業がその環境をネットワーク経由で利用できるようにしたのです。イメージとしては、みんなで分け合う開放的な空間を想像してみてください。
よく考えてみると、各企業のシステムに必要な要素ってそこまで大差ないですし、それなら誰かがとても良いシステム環境を作ってくれて、それをみんなで利用し合えた方がwin-winですよね。
このクラウド型の登場によって、自前でシステムを構築する必要もなくなりましたし、システムのアップデートもクラウドサービス提供会社が行ってくれるので自社でそれらを注意する必要性もなくなりました。
ここまで聞くと、
「クラウド型は従来のオンプレミス型の欠点を補ってくれてるし、もうオンプレミス型はいらないね!」
って思う方もいるかもしれません。
しかし、そうそう物事というものは上手くいくものではなく、完全上位互換なんてものはなかなか存在しません。つまり、メリットがあればデメリットが存在するってことですね。
したがって、この次では、クラウド型のメリットデメリットについて、従来のオンプレミス型とも比較しながら解説していきたいと思います。
クラウドのメリットデメリット

オンプレミス型とクラウド型を比較する際には、次の4つの観点が考えられます。
- 利便性
- 導入コスト
- セキュリティ
- 自由度
では、それぞれの観点から、クラウド型のメリットデメリットを探っていきましょう。
利便性
利便性といってもいくつか細かい要素に分かれると思いますが、オンプレミス型とクラウド型が大きく異なる点は次の2つです。
- どの端末からアクセスできるか
- 自社でシステムをアップデートする必要があるか
まず、どの端末からアクセスできるかという話ですが、オンプレミス型では基本的に特定の社内PCでしかアクセス出来ません。対して、クラウド型ではネットワークを経由してどの端末からでもアクセスすることが可能です。
もう少し馴染みのある話をすると、例えば、あなたがとある業務で資料を作っていたとします。それを特定の社内PCに保存していた場合はそのPCでしか閲覧や編集ができませんよね。でも、それをGoogleドライブ等のクラウドサービスに保存していれば、社内のどのPCからでも閲覧や編集ができますし、なんなら自分のスマホからでもIDとパスワードを入力してアクセスすることだって可能です。
どの端末からでもアクセスできるというこのクラウド型のメリットですが、実は私生活でも大活躍しています。
例えば、Googleフォトという写真アプリです。これはスマホで撮影した写真を自動的にクラウド上にアップロードしてくれるものなのですが、このアプリを活用することでリアルタイムに別の端末からでもその写真をチェックすることが出来ます。
次に、自社でシステムをアップデートをする必要があるかという話ですが、こちらもオンプレミス型では必要なのに対して、クラウド型では必要がなくなります。
冒頭でも触れましたが、オンプレミス型というのは自社内に専用環境を構築したものであり、もちろん独自に作ったものであれば自分たちで更新作業を行わないといけません。
反対に、クラウド型というのはクラウドサービス会社が提供している環境を様々な企業で利用するため、自社でそのシステムのアップデートを担う必要がなく、サービス提供会社がその役割を担います。
導入コスト
導入コストについても、基本的にクラウド型の方が低コストになると考えていいでしょう。
というのも、クラウド型ではクラウドサービス会社が提供しているシステム環境をネットワーク経由で利用する形になるため、即日で利用を開始できます。これまでのオンプレミス型では時間をかけてシステム構築作業を行っていましたが、その労力が必要なくなりました。使いたいときに契約し、いらなくなったら解約すればいいので、従来と比べてとても気軽ですよね。
ただし、月額料金といった形でサービス利用料を支払っていくため、長期的に大きな負担にならないかだけはチェックが必要です。でも、定期的な更新作業といった運用・保守がいらないことを考えると、総合的なコスト面で見てもクラウド型の方が優勢だと思います。
私生活に例えると、持ち家にするのか賃貸にするのかという議論と似ていますよね。初期投資が大きくかかるのか、月額制で将来的に大きな負担になるかもしれないのか、といったところです。しかし、家とは違ってシステムというのはそこまで長期的な利用にならないわけで、時代に合わせて柔軟に変えていくことが大切なのですから、その点でクラウド型は大きなメリットといえます。
セキュリティ
クラウド型を嫌う理由の1つとしては、セキュリティ面への不安が挙げられるでしょう。
オンプレミス型では自社内の専用環境でデータのやり取りをしていたのが、クラウド型ではネットワーク経由で外部環境とデータをやり取りします。
また、先ほどクラウド型はどの端末からでもアクセスできるという話をしたと思いますが、それも裏返せば何か企んでいる悪者もアクセスしやすくなるということです。
仮にそのような悪者がいなくとも、従業員のスマホ経由で誤ってデータを漏洩させてしまうなんてことも考えられます。
自由度
システムを構築する際に、独自にカスタマイズしていきたいと考えている場合は、クラウド型よりもオンプレミス型の方がメリットが大きいでしょう。
クラウド型というのは外部が提供するシステム環境を利用するため、良くも悪くも独自性がありません。
対して、オンプレミス型は0から独自にシステム環境を構築していくため、社内の要望に柔軟に対応することが可能です。
メリットデメリットのまとめ

以上の4つの観点で見てきた話を整理すると、上の表のようになります。
まとめると、クラウド型というのは、オンプレミス型に対して利便性や導入コストの面ではメリットが大きいが、セキュリティを重要視する企業や独自にシステムを構築したい企業にとってはデメリットが大きいものになります。
したがって、セキュリティ面やシステム構築時の自由度を求めている企業には必ずしもクラウド型をおススメすることは出来ないということです。
この結果を受けて、
「オンプレミス型とクラウド型の両者を良いとこ取りしたハイブリッド型でもあればいいのになあ。」
って思う方もいますよね。
そのように思った方は大丈夫です。安心してください。
というのも、実はクラウド型にはさらに細かく3つの種類があるんです。
この次では、その3つがそれぞれどのようなものであり、実際にどのようなサービスが世の中で提供されているかについても解説していきたいと思います。
クラウドの種類と代表的サービス

クラウドというものは、さらに細かく次の3つの種類に分かれます。
- SaaS(Software as a Service)
- PaaS(Platform as a Service)
- IaaS(Infrastructure as a Service)
それぞれ「サース」「パース」「イァース」って読みます。IaaSに関してはいろいろな読み方があるらしいですが、とりあえず1つ覚えておけばいいと思います。
そして、これらはどのように3つに分けられているかというと、先ほどの自由度です。
下の図をご覧ください。

- 青色:自社でシステム環境を構築するもの
- 黄色:クラウドサービス会社が提供するシステム環境を利用するもの
になります。
ここまででお話した通り、オンプレミスでは0から構築していくわけですから、全部青色ですよね。
本題はSaaS・PaaS・IaaSです。
SaaSは完全にサービスを利用する形であるのに対して、IaaSは割とオンプレミスに近い形で構築も行います。PaaSに関しては、SaaSとIaaSの中間のイメージですね。
つまり、どこまでサービス提供側が用意してくれているかといった違いがあります。
イメージするのが難しいと思いますので、ここからそれぞれについて、日常で実際に使われているサービス名も併せて解説していきます。
SaaS(Software as a Service)
名前にソフトウェアと付いている通り、先ほどの図の一番上に位置するアプリケーションまでをクラウドサービスとして提供してくれるものになります。
SaaSに関してはPaaSやIaaSと違い、日常で使われるサービスがたくさんあります。
例えば、メールです。Gmailを使ったことがある人はほとんどではないでしょうか。Gmailはクラウドという考えが出てきた時から存在していたGoogleが提供しているサービスです。Gmailを利用することで、スマホからでもメールをチェックできますし、PCからでもチェックできます。家ではPCでじっくり見れるし、外ではスマホで気軽に見れるので、我々の生活をとても便利にしてくれているサービスの1つでしょう。
また、写真に関しても先ほどGoogleフォトを紹介しましたが、それもアプリケーションなのでSaaSです。クラウド上で管理してくれるのでスマホの容量も軽くなりますし、機種変更時に移行作業がいらないのもとても便利です。
ビジネスマンの方であれば、Googleドライブもよく使うツールの1つですよね。これもSaaSです。ここに社内資料を保存しておけばみんなで閲覧が可能です。さらに、Googleドキュメント等を使用することでクラウド上で資料を操作出来たりもします。クラウド上で作業することで今誰がどの資料を操作しているかが透明化され、お互いの作業のダブりなどもなくなります。
ちなみに、何でこんなに日常で使われるサービスがPaaSやIaaSではなくSaaSには多いのかというと、ほとんどの人はシステム開発の業務を担わないからですよね。
PaaSやIaaSは土台の環境を提供してくれていますが、その後は構築作業をしなければなりません。日常を過ごしていて、そんな構築作業なんてしませんよね。
したがって、アプリケーションまで完璧に揃えてくれているSaaSしか、私たちは日常で目にすることがないのです。
PaaS(Platform as a Service)
名前にプラットフォームとある通り、PaaSは土台までを提供してくれます。
土台というのは、アプリケーションを開発したり実行したりするツールや環境のことです。
したがって、PaaSを利用する場合は、その土台となる環境で自分たちが作りたいアプリケーションを開発していくことになります。
「最終的なサービスやシステムは自分たちで作りたいけど、開発環境は作るのは面倒だな」
っていう場合にはおススメです。
ちなみに、PaaSの代表的なサービスとしてはGoogle App EngineやMicrosoft Azureなどが挙げられますが、SaaSと違って急に馴染みがなくなりましたよね。
先ほどSaaSのところでお話した通り、開発サイドに立った経験がなければ触れることがないわけですから、馴染みがないのは当然です。
IaaS(Infrastructure as a Service)
名前にインフラとありますが、先ほどのPaaSよりもさらに下の土台を担ってくれるものがIaaSです。
PaaSではアプリケーション開発環境といったプラットフォームを提供してくれているわけですが、そもそも提供会社がそのプラットフォームを作るためにはネットワークやサーバといった環境が必要ですよね。
IaaSではそれらのインフラ環境を提供してくれます。
IaaSはPaaSよりもさらに開発の自由度が高いため、それを追い求める場合にはおススメです。
こちらも代表的なサービスとしては、Google Compute EngineやAmazon Elastic Compute Cloudといった馴染みのないものが存在しますが、詳しくは割愛します。
今のあなたに出来ること

いかがでしたでしょうか。
今回は、「クラウドとは?完全図解式でわかりやすく解説」というテーマでお話してきました。
この記事を通して、少しでもクラウドに関するあなたの知識が深まったら嬉しいです。
今のあなたに出来ることは、
- 社内のシステムがオンプレミス型なのかクラウド型なのか確認してみる。
- 社内にもっとクラウド技術を生かせないか考えてみる。
- 日常でSaaSのサービスを積極的に利用してみる。
だと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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